So-net無料ブログ作成

比嘉大吾選手、日本人世界王者初の計量失敗で王座剥奪 [ボクシング]

4月15日、横浜アリーナでWBC世界フライ級前王者の比嘉大吾選手と同級2位のクリストファー・ロサレス選手によるタイトルマッチが行われ、前日計量で体重超過(1回目の計量で900ℊ超過、再計量を放棄)のため王座を剥奪された比嘉選手の9回TKO負けとなり、ロサレス選手が新王者になりました。日本人世界王者が計量失敗で王座を剥奪されるのは初めてのことだそうです。

つい先月ルイス・ネリ選手で話題になったばかりの体重超過を日本人の世界王者がやらかしてしまいました。しかも、再計量放棄。王座は剥奪されたものの、もし比嘉選手がKOすれば「16連続KO勝利」の日本新記録は成立という滑稽さ。当然、ロサレス選手を応援しました。比嘉選手の途中棄権という結果に安堵しています。体重超過した選手の勝利を目にするのは気分の良いものではないですし、万が一KOなどということにでもなったら、余計な疑念まで起こってしまいます。ただ、試合を見る限り、近年流行の半ば意図的な体重超過ではなく、普通に調整ミスだったのだなと思いました。もちろん体重超過はプロとしてあってはならないことで、JBCも比嘉選手に対して然るべきペナルティを科すことでしょう。ネットでは永久追放など厳しい意見もあるようですが、私的には、一度の失敗で再起の道まで閉ざす必要はないのではないかと思います。

ところで、比嘉選手といえば、体つきを見ても筋肉質で、軽量級ではかなりのハードパンチャーとして知られています。フライ級での減量が厳しく、本人も階級を上げたい旨意思表示をしていたそうです。具志堅用高会長が転級を許可しなかったと言われていますが、今回の減量失敗の背景には前試合から2ヵ月という短いスパン以外に(適正)階級の問題もあるのではないでしょうか。計量時の比嘉選手は、体重をフライ級に落とすには些か筋肉をつけ過ぎているようにも見えました。同じ過ちを繰り返さぬようしっかり反省し、十分に心身をケアした後は、選手本人の希望が叶うことを願います。あのマニー・パッキャオ選手もWBC世界フライ級王者時代に体重超過で王座を剥奪されKO負けを喫した後、一気にスーパーバンタム級まで上げ、その後の活躍は周知の通りですから、若い比嘉選手もまだまだこれからです。

また、同日、同会場ではメインイベントとしてWBA世界ミドル級タイトルマッチが行われ、王者の村田諒太選手が同級6位(10位?)のエマヌエーレ・ブランダムラ選手と対戦、8回TKO勝利を収め初防衛に成功しました。日本人としては初のミドル級防衛だそうです。村田選手のフィジカルの強さは素晴らしいですし、フィニッシュブローの右フックもお見事でしたが、個人的に彼のボクシングは好みでない上に実力差の感じられる対戦相手で、正直、物足りなさは否めなかったです。対戦を希望して直ぐに実現する相手ではないでしょうけれど、村田選手自身も名前を挙げるミドル級3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン選手との試合を是非見たい(目当てはゴロフキン選手ですけれど…)ですね。くれぐれも彼の年齢による更なる衰えが進むのを待つなどというせこいことは無しでお願いします。

さて、またもや最大の被害者はチケットを購入した観客という残念な事態にはなってしまいましたが、せめてもの救いは、しっかり体重を作り、敵地で体重超過した選手と立派に戦ったロサレス選手が戴冠したことに尽きるのではないでしょうか。試合を中止すべきだったという意見もありますが、プロ興行である以上そう単純でもなく、ルールを守った選手の利益を損なうようでは本末転倒にもなりかねません。中止の場合の細かな取り決めが必要になるかと思います。来月には井上尚弥選手がWBA世界バンタム級タイトルマッチで同級王者のジェイミー・マクドネル選手に挑戦します。滞りなく試合が行われますように。

2018年4月25日追記:
JBCは比嘉選手に対し、ライセンス無期限停止処分とファイトマネー20%相当の制裁金を科すことを決めたそうです。具志堅会長、トレーナーらジム関係者は管理責任を問われて戒告処分に。停止処分の解除は定期的な体調管理報告などを受け、JBCが総合的に判断して決めるとのこと。また、比嘉選手の次戦は階級を上げることが義務付けられたそうです。
一見厳し目の処分に見えるものの、JBCは比嘉選手を復帰させる気満々のようですね。期限付き停止になるかと思っていたのですが、期間を決めきれずに苦肉の策という感じでしょうか。無期限というのは曖昧かつ便利な表現で、短い可能性も長い可能性もあります。先月ネリ選手を無期限招へい禁止にしたので、とりあえず比嘉選手も無期限と表向き揃えた感ありです。比嘉選手自身もしばらくは休養が必要でしょうし、何よりも階級変更指令が出て良かったと思います。

タグ:ボクシング
nice!(1)  コメント(8) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 8

AnotherGreenWorld

こんにちは。
ネリ選手の件に続いて、こんどは比嘉選手ですかぁ。こんなこともあるんですね。気になってWBCのサイトを見たら、"Rosales sensationally conquered the WBC flyweight title with an inspired ninth round TKO, thus defeating hitherto unbeaten KO king Daigo Higa, who`d already lost the crown on the scales. "と表現されてました。現時点ではWBCは問題にしてる風はないみたいですね。この件に関しては、GreenGarnetさんが書かれてることに深く同意しますね。有望な選手の未来を閉ざすようなことは起きて欲しくないと思いますし、選手を取り巻く環境についても、改善の余地がありそうな気がします。
by AnotherGreenWorld (2018-04-18 21:23) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、こんにちは!
現時点でWBCは特に問題視はしていないのですね。情報ありがとうございます。
比嘉選手の体重超過はたまに起こってしまう「調整ミス」で、相応なペナルティは受けるべきだと思いますが、永久追放されなければならないほどの悪事だとはとても思えません。私が不快感を覚える、勝つために行う「意図的な体重超過」とは違いますもの。
それよりも比嘉選手の体重超過の件で私が気になるのは、諸々の事情で選手が希望する階級で試合ができないことと減量が未だに根性論で行われているのではないかということです。階級を上げることでパフォーマンスの質が向上することもありますし、そもそも過度な減量の繰り返しは選手生命を縮める恐れもあるのではないかと思います。減量も科学的、合理的に行われるべきで、計量時の比嘉選手はフライ級の体重を作るには筋肉をつけ過ぎているようにも見えました。
結果論にはなりますが、最初から無理のある試合設定だったのでしょうね。具志堅さんは現役時代それほど減量に苦労しなかったと聞いたことがありますから、そんなことも悪いほうに働いたのかもです。 骨格や体質には個人差がありますし、比嘉選手もまだ若く、経験や自覚、計画性など足りないところもあったように思います。
by GreenGarnet (2018-04-19 14:56) 

AnotherGreenWorld

こんにちは。 ご存知かもしれませんが、その後WBCサイトでどう扱われてるか読んでみると、ロサレス選手のニカラグア凱旋帰国の話と、正式にWBCチャンピオンとして登録されたって話しか載ってないですね。比嘉選手の体重超過はWBCにとっては特別な事件ではなかったみたいです。なにか、日本のネット上では、先のネリ選手の件と絡めて比嘉選手を非難してる人がいるみたいですね。
いろいろ物事の区別ができない頭の残念な人たちがいるようで困ったものです(笑)。GreenGarnetさんがおっしゃるように、有望な選手の将来を閉ざすことがないようにして欲しいものです。
by AnotherGreenWorld (2018-04-22 11:33) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、こんにちは!
そうですよね。故意と思われる体重超過で2RにパワフルなKO勝ちを収めたネリ選手を引き合いに出して、減量失敗で精彩を欠き9RにTKO負けを喫した比嘉選手にも同じペナルティを科さないとダブスタだと騒ぐ人たちがいるようですね。故意か過失かに関係なく(当たり前ではありますが)王座剥奪という同じ罰は受けているわけで、AnotherGreenWorldさんの仰るように、WBCが試合後無期限資格停止処分にしてランキングからも外した選手と、現時点で特に問題視されていない選手を同一に扱う必要もないかと思います。外国人選手と比較するのであれば、比嘉選手が戴冠した試合で体重超過により王座を剥奪され、JBCが1年間の招へい禁止にしたフアン・エルナンデス選手のほうがしっくりきます。
比嘉選手には是非、階級を上げて再出発してもらいたいです。
by GreenGarnet (2018-04-22 23:49) 

AnotherGreenWorld

こんばんは。
こちらもWikipediaレベルですが、調べて見ました。計量失敗のことは書かれてないようですね。王座を剥奪以上のことが必要なようには見えませんね(笑)
「JBCが定めた条件によって試合出場禁止、引退勧告、ライセンス剥奪などを行うことがある。
主な条件は、
出場禁止 - KO・TKOによる敗戦から90日以内の選手(ただしTKOの場合は医師の診断によって短縮される)。
引退勧告 - プロボクサーとしての試合が困難な特定の疾病に罹患したり、一定の年齢に達した場合(ただし、網膜剥離に罹患した辰吉丈一郎や制限年齢に達した西澤ヨシノリのように特例で認定される場合がある)
ライセンス剥奪(正確な名目は資格取消、無期限停止) - 長期間プロボクサーとしての活動(試合)を行わない場合、社会的に許されざる重い罪を犯した場合、他の格闘技団体や同じプロボクシングでも「一国一コミッション」の原則に反して設立された団体(代表例として日本IBF)に関与・参戦した場合(初代IBF世界バンタム王者新垣諭を筆頭に日本IBF関係者は2013年4月1日JBCのIBF加盟で名誉回復可能に)。」

というわけで、外野は放っておいて、GreenGarnetさんがおっしゃるように、上の階級で活躍して欲しいものですね。

by AnotherGreenWorld (2018-04-23 23:14) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、こんにちは!
Wikipediaにそういう記述があるのですね。勉強になります。
体重超過については明確な罰則規定があるわけではなく、現在JBCが選手やジムに対する罰則や試合中止についてルール策定に着手しているみたいですよ。最近は日本人選手にも体重超過が多発しているとのこと。比嘉選手も期限付き出場停止処分は免れないと思います。
プロボクシングはアマチュアスポーツではなくビジネスなので、なかなか「体重超過で失格。相手選手の不戦勝」と杓子定規にはいかず、スポーツ性と興行性の両立が難しいですね。故に罰則で再発防止を図ろうという流れなのだろうと思いますが、建前として「体重超過は許されることではない」ものの、人間ですから仕事でミスすることも。罰則の必要性を認めつつ、処分の軽重や試合中止の判断も含め、具体的な対処はケースバイケースにならざるを得ないのではないかという気もします。罰則は一律にという考え方もシンプルで魅力的なのですが、意図的な体重超過が目立つ昨今、故意も過失も同列にというのは少々違和感が。そもそも、日本人選手と外国人選手を全く同じに扱うのは、JBCの権限では難しい場合もあるのではないでしょうか。
ところで、最近はドーピング問題のほうも賑わっているようですよ。日本人選手の名前もちらほらと。
by GreenGarnet (2018-04-24 23:58) 

AnotherGreenWorld

おっ、追記発見。情報ありがとうございます。
バランスの良い裁定だと思いますね。比嘉選手は十分に休養をとれて希望通り階級も上げられて、ジムの管理責任も問われている点は好感が持てますね。個人的にはよかったよかったな気分です。
by AnotherGreenWorld (2018-04-29 13:19) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、
同感です。私的にも納得できる処分です。表向きは「無期限」ではあるものの、復帰や次戦についても触れられていて、比嘉選手は比較的守られ、具志堅会長をはじめジムの関係者がダメ出しされた印象を受けました。もし本人に続けたい意思があれば、尊重されるような気がします。できれば比嘉選手の体調回復、階級上げの準備完了を待って復帰させたいのではないでしょうか。安河内事務局長は比嘉選手のことを「日本ボクシング界の宝」と形容したそうですよ。
by GreenGarnet (2018-04-30 01:50) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。