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映画『CONTROL(コントロール)』 [映画]

『CONTROL(コントロール)』は、イギリスのバンドJoy Division(ジョイ・ディヴィジョン)の
ヴォーカリストで、23歳の若さで自ら命を絶ったIan Curtis(イアン・カーティス)の半生を
描いた映画です。原作は、妻Deborah(デボラ)による手記『Touching from a Distance
(タッチング・フロム・ア・ディスタンス)』だそうです。

全編にわたるモノクロ映像が、この映画の持つイメージによく合っています。
また、所々に挟み込まれるライブ・シーンは出演俳優達の演奏によるものだそうで、特に
イアン役のサム・ライリーのライブ・パフォーマンスは圧巻です。

原作はデボラの著書ですが、アントン・コービン監督はイアンの愛人アニークにも取材を
行っており、イアンからアニークに宛てた手紙を全て読ませてもらったそうです。
そして、諸々の大人の事情が絡んでいると思われ十分とは言えないものの、可能な範
囲でその成果が映画に反映されているように感じます。
デボラの著書はあくまでもデボラの主観的な視点によるものですから、デボラの著書だ
けでは、ここまでイアンの晩年を描くことはできなかったのではないかと思います。

ちなみに、コービン監督は、イアンが亡くなる前にデボラ宛てに書いた最後の手紙は読
んでいないようです。(おそらく、この映画の製作に当たって、監督が最も読みたかった
手紙だっただろうとは思いますが…)

映画『CONTROL』はカンヌ国際映画祭でも受賞しましたし、当時私の周りの映画ファン
の間でもそこそこ話題になっていたようです。
映画好きの友人に知っているかどうか尋ねたことがあるのですが、ジョイ・ディヴィジョン
やイアン・カーティスについては知らないものの、この映画のことはよく知っていました。
ただ、「奥さんにも愛人にも捨てられて自殺したイギリスのミュージシャンの話でしょう。」
とのコメントには、しっかり突っ込みを入れ、訂正しておきました。

なお、本作品のタイトル『CONTROL』は、ジョイ・ディヴィジョンの代表作のひとつ『She's
Lost Control』から取られたそうです。

P1000959.JPG

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映画『Who Killed Nancy(フー・キルド・ナンシー)』 [映画]

1978年10月12日、ニューヨークのチェルシー・ホテルの一室でシド・ヴィシャスのガールフレンド、
ナンシー・スパンゲンの刺殺体が発見されました。同じ部屋にいたシドが容疑者として逮捕され
ますが、そのシドも保釈期間中の1979年2月2日、事件の全容が解明する前にヘロインの過剰
摂取で急死してしまいます。容疑者の死亡ということで、捜査は打ち切られたそうです。

『Who Killed Nancy(フー・キルド・ナンシー)』は、文字通り、「誰がナンシーを殺したのか?」を
探るドキュメンタリー・タッチの映画です。ストーリー性はほとんど無くて、関係者のインタビュー
を中心に構成されています。当時シドやナンシーと交流のあった人々の口から、興味深いエピ
ソードや事件についての見解が語られ、事件の関連資料と思しき文書、シド直筆のメモや遺書
などの映像も出てきます。
ただ、監督のアラン・G・パーカー自身も不可能なことと認めているように、『Who Killed Nancy』
に対する明確な答えは見つかっていません。(まあ、素人の調査と推理ですから…)

インタビューを聞いて感じるのは、やはりシドとナンシーのヘロイン中毒が深刻だったことです。
「誰がナンシーを殺したのか?」に対する答えはもちろん私にも分かりませんが、ドラッグが大き
な要因の一つだったことは否定できないと思います。(ただ、何故二人が依存症になってしまっ
たのかと考えると、根本的な原因は本人以外の別のところにあると私は思っていますが…)

ところで、本作品には出てこないのですが、ナンシーの死後、シドから届いた手紙を読んだナン
シーの母親はナンシーを刺したのはシドだと確信したそうです。もっとも、実際に問題のナイフを
シドに手渡し、事の次第を演出したのはナンシー自身だろうとは思ったようですが…
「ナンシーへの愛の証(あかし)としてナイフで刺すようナンシーに命じられたシドが、その要求に
応えてしまった」という、まるで二人のSM的な主従関係でも連想させるような大胆な推理です。
もともと強い希死念慮を持っていたナンシーが、シドを使って望みを遂げたと結論づけたようです。

結局のところ、真実は「神のみぞ知る」…ということなのでしょうね。

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映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』(3) [映画]

私は、『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』は単なる恋愛映画ではなく、深刻な麻薬中毒と
共依存のお話だと思っています。

ナンシーはIQはとても高かったそうですが、生まれながらに障害を持っており、母親の愛情を感じ
ることが出来ないため情緒的に安定せず、子どもの頃から手がつけられないほどの癇癪持ちだっ
たようです。でも、当時はまだ医学的な解明が十分ではなかったため、問題行動の原因が分から
ずに、納得いく診断がもらえず、医者からも半ば見放された状態だったようです。
そして、我が娘を持て余したナンシーの両親は、経済的な援助はしつつも、厄介払いをするかの
ように、ナンシーをニューヨークへ送り出します。

ナンシーの親子関係が殺伐としていた様子は、映画の中でも多少描かれていました。
ナンシーはシドを自分の実家に連れて行ったことがありますが、ナンシーの両親は自宅に二人を
泊めたくなくて、ホテルの予約を取ったそうです。

シドとナンシーは、片方が亡くなったら残されたほうも後を追うという「DEATH PACT(死の誓い)」
を立てていたようです。シドの遺書には、「ナンシーの隣に埋めて欲しい」と書いてあったそうです。
でも、ナンシーの母親に拒否されて、実現しませんでした。
そこで、シドの母親は夜中に墓地に忍び込んで、ナンシーのお墓にシドの遺灰を撒いたそうです。

そんな話だけ聞くと、つい息子思いの母親だと勘違いしそうになりますが、驚くことに、シドが麻薬
の過剰摂取で亡くなった時、問題のヘロインを用意したのはシドの母親だったようです。
そして、当の母親のほうは、シドが命と引き替えに残した印税を受け取り、64歳まで暮らしたらしい
です。

細かい事情は違うにせよ、親の愛情を十分に感じることが出来ぬまま、自己の存在意義を見つけ
られずに育った二人の波長がぴったり合って、共依存関係を形成していったように思います。そして、
ナンシーの抱える障害と二人のヘロイン中毒が、状況をより複雑なものにしたのだろうと思います。
当時、相思相愛だったはずの二人が、麻薬を奪い合う光景も珍しくなかったようです。

また、ナンシーは時折シドからDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けることがあり、病院で縫って
もらうほどの大怪我を負ったこともあるようです。(ナンシーが母親に話したことがあるそうです。)
それでも二人が別れなかったのも、決して共依存と無関係ではなかったのではないかと思います。

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映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』(2) [映画]

映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』は、シド・ヴィシャスとその恋人ナンシー・
スパンゲンの物語です。私は、シリアスな共依存のお話だと思っているのですが、一方
では、麻薬常習者を美化し過ぎだとの意見もあるようです。
それは多分、亡くなったナンシーがタクシーに乗って(天国から)シドを迎えに来るという、
まるでメルヘンのようなラスト・シーンが原因なのかなと思ったりもします。
実際は、シドは麻薬の過剰摂取で亡くなっていますから。

でも、共依存という観点から考えると、シドにとっては、自らの死よりも、ナンシーの存在
しないこの世の中のほうが恐怖だっただろうと想像出来ますから、映画のラスト・シーン
は、そんな二人の関係を見事に象徴していると思います。

共依存とは、人間関係に対する過剰な依存状態を指します。
共依存症者は自己愛や自尊心に欠けるため自己評価が低く、相手から依存されることに
自己の存在価値を見出し、共依存関係を続けてしまう傾向があるようです。機能不全家族
などで育った人が共依存関係を形成しやすいとも言われているようです。また、共依存に
は、他の依存症(薬物やアルコール、ギャンブルなど)が絡んでいることも珍しくありません。

(ある障害が原因で、)ナンシーはとても気性が激しく、家族の厄介者だったようです。
また、シドは殆ど父親の愛情を知らずに育ち、母親は麻薬常習者だったそうです。

よくシドの麻薬中毒についてナンシーが悪く言われることがありますが、私は、広い意味
で、ナンシーよりも、シドの母親の影響のほうが大きいと思います。
子供に自己の存在価値を教えるのは、親の大事な役目だと思います。ところが、驚くこと
に、シドの母親は、自らシドに注射器や麻薬を与えていたそうです。この行為は、「あなた
が麻薬中毒になっても構わないわ。」という母から子へのメッセージになってしまった可能
性もあると思います。親からこんな扱いを受けて、シドに自尊心が育つ訳がありません。

また、当時ナンシーの抱える問題はかなり深刻だったようです。本来ならば親が対処すべ
きもので、おそらく、シドには荷が重過ぎだったと思います。結局のところ、共倒れです。
しかし、それでも関係を解消出来ないのが共依存なのだろうと思います。

シドが亡くなったのが21歳、ナンシーが亡くなったのが20歳。まだまだ子供です。
私が20歳の頃は、まだ学生で、親のすねかじりでした。
麻薬常習者を肯定するつもりはないですが、ある意味、シドもナンシーも気の毒な存在に
思えてしまいます。

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Sid Vicious/My Way(シド・ヴィシャス/マイ・ウェイ) [映画]

私は、よくYouTubeを観ます。(YouTubeに感謝です。)

いくつかお気に入りの映像がありますが、その中の一つがシド・ヴィシャスの『マイ・ウェイ』
です。(オリジナルはフランス人の作詞・作曲・唄で、フランク・シナトラではないそうです。)
映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』にも、印象的なシーンとして出てきます。

実は、私は、セックス・ピストルズはそれ程好きではなくて、シドの大ファンという訳でもない
のですが、シドの<映像付き>『マイ・ウェイ』は大好きです。
『マイ・ウェイ』を歌うシドは、文句なしに格好いいと思います。
曲調が一気に変わる瞬間は、いつ観ても、いつ聴いてもゾクゾクします。

この映像は、セックス・ピストルズの映画「The Great Rock'n' Roll Swindle」のために撮影
されたようですが、シド本人は、曲を気に入らず、『マイ・ウェイ』の撮影には消極的だったそ
うです。そんな彼に、是非やるべきだと勧め、説得したのはナンシーだったようです。
歌詞の一部を変更するということで、シドも同意したようです。

マネージャーのマルコム・マクラーレンは、シドにセックス・ピストルズのヴォーカルをさせた
がっていたらしいのですが、この映像を観ると、納得してしまいます。
でも、彼の短かった人生について考えた時、残念ながら、シド本人は自分自身を過小評価
していたように思えてなりません。

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映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』(1) [映画]

『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』は、セックス・ピストルズのベーシスト
だったシド・ヴィシャスとその恋人だったナンシー・スパンゲンのエキセントリックな
関係を、当時の音楽シーンにも触れながら描いた映画です。

感想を一言で言うと、「共依存」のお話です。
「麻薬中毒者を美化し過ぎている」という批評を聞くこともありますが、
私は、何度観ても、美化されているようには感じないです。
また、純粋なラブ・ストーリーにも感じません。
最大のテーマは、やはり「共依存」だと思います。

ナンシーはとてもIQが高かったそうです。でも、当時の医学では十分に解明されて
いなかった生まれながらの障害を持っていて、本人も家族も大変だったようです。
シドも幼少期から家庭環境に恵まれない面があったようですし、そんな若い二人が
シンクロしたのだろうと思います。

映画の中ではナンシーの死が直接描かれていますが、現実の世界では、彼女の
後を追うように、シドも悲劇的な最後を遂げます。

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